発電機ELSONA誕生ものがたり~岩手県大槌町発 被災経験から生まれた新たなものづくり~
2020.09.11
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2011年3月11日に発生した東日本大震災で、岩手県上閉伊郡大槌町は大きな被害を受けました。
死者・行方不明者は1200人以上、全壊・半壊した家屋は3878棟にもおよび、多くの方が仮設住宅での暮らしを余儀なくされました。仮設住宅が役割を終えたのは震災から9年もの年月が経過した2020年3月でした。
地震発生とほぼ同時に、町内は大規模な停電に見舞われました。電力の供給が途絶えたため、こ飯が炊けない、お湯が沸かせない、明かりがつかない、暖房が使えない、携帯電話が充電出来ないなど、電気を必要とする機器は全て使えなくなり、日常生活がいかに電気に依存していたかを実感させられました。
非常時の電力確保には発電機がありましたが、ガソリンや軽油などの燃料不足と、発電機のメンテナンス不足といったトラブルがおこり、充分な電力を確保することが困難な状況が続きました。大槌町の地元企業である株式会社山岸産業はこれらの教訓を生かして非常用小型発電機「ELSONA」をSSJホールディングス株式会社と共に開発。燃料不足対策として燃料には利便性が高いLPガスを採用し、さらに、従来通りガソリンも使用できるハイブリッド式としました。
発電容量は、一般的なの小型ガス発電機の容量(0.8〜0.9kVA)の6倍以上となる5kVAを確保し、電力供給が途絶えた際にも充分な電力を確保することが出来ます。
非常用発電機は設置すれば終わりではありません。
非常用発電機の本当の意味は、必要な時に必要な電力を供給することであると考えます。