Projects

近年、災害時の避難所となる学校体育館の空調整備を加速する動きが
全国的に進んでいます。

 

特に夏場の熱中症対策や冬場の寒さ対策として、
「スポットエアコン」と「発電機」の組み合わせに注目が集まっています。

 

今回、魚津市でも「スポットエアコン」と「発電機」を導入いただきました。

 

インタビューに応じてくださったのは、
防災の業務にあたられて今年で3年目になる防災危機管理室の遠藤 雅之(えんどう まさゆき)さん。

 

遠藤さんは防災危機管理室の職員として令和6年の能登半島地震も経験され、
能登半島地震の際には、地震発生後すぐに市役所庁舎に向かい、
その後は避難所開設、物資の輸送、情報収集や、情報伝達などの
対応にあたられたそうです。

 

昨年秋には住民の方々に向けて防災の意識を高めてもらうため参加型の「防災キャンプ」を企画・運営。現場での気づきを活かしながら住民のみなさんのために日々奔走される遠藤さんにお話を伺いました。

 

ーまず最初に令和6年の能登半島地震の際の魚津市の当時の状況などについて教えていただけますでしょうか?


魚津市では、最大震度4を観測し、富山県には津波警報が発表されました。市内の26箇所で避難所を開設し、把握できているなかで2,300人をこえる方が避難所に避難されたというのが当時の状況です。そのうち180人程の方が避難所で一晩を過ごされました。車中泊された方もいらっしゃったので、その方々を含めると宿泊された方はもう少し多かったと思います。

 

魚津市内に開設された避難所の様子

 

 

 

 

 

幸いにも停電・断水など、ライフラインの停止や、家屋の全壊・半壊のような大きな被害はありませんでしたが、山手に避難する車両で市内各地に渋滞が発生したことや、避難所開設までに時間がかかったという課題が見つかりました。

 

 

 

 

 

                        

 

 

 

渋滞が発生した当時の様子

 

 

また、小・中学校など避難所となる体育館には、元々ジェットヒーターはあったのですが、まだ空調設備が整っている状況ではなく、小学校に避難された後、宿泊の際にはエアコンのある近くの公民館に移動していただくなどの対応をしていました。

魚津市内に開設された避難所の様子

 

ー今回、魚津市で発電機「ELSONA」と移動式エアコン「ヒエスポ」を導入していただきましたが、その経緯について教えていただけますか?


避難所の環境改善を進めていく中で、学校体育館の空調設備の整備が課題の一つでした。

体育館への空調設置については、構造上大規模空間であることや断熱性が不十分なため、機器の設置場所や選定、費用対効果など解決すべき様々な課題があり、導入に踏み切るのが難しい状況でした。

 

高岡市に導入された移動式エアコン「ヒエスポ」(左)と発電機「ELSONA」(右)

 

ーそのような中、発電機「ELSONA」と移動式エアコン「ヒエスポ」が導入となった決め手を教えてください。


高岡市の小学校体育館で行われた実機デモに参加する機会があり、そこで様々なサイズの「ヒエスポ」や発電機「ELSONA」、蓄電池といったものを目にすることができたのが大きかったですね。

 

高岡市の小学校の体育館で行われたのデモの様子

 

実際に動いているところを見せてもらい、今まで「スポットクーラーは局所的なもので全体を涼しくするのが難しい」というイメージだったのですが、「ヒエスポ」はある程度台数を確保すれば、移動式エアコンでありながら体育館空調として十分な能力をもっていると実感できたのが大きな決め手です。

 

デモでは発電機「ELAONA」や蓄電池を電源として「ヒエスポ」を実際に動かしました。

 

また、避難所の電源喪失を想定し、これまでも発電機を備蓄していましたが、数が少なかったため追加の導入を検討していました。

 

可搬型で移動がしやすく、燃料も比較的調達しやすい「LPガス」と「ガソリン」に対応しているという点が決め手となり発電機ELSONAを移動式エアコン「ヒエスポ」と合わせて導入しました。

 

移動式エアコン「ヒエスポ」の電源として活躍する発電機「ELSONA」

 

ー発電機「ELSONA」と移動式エアコン「ヒエスポ」の常時、非常時の運用方法について教えていただけますか?

発電機「ELSONA」と「ヒエスポ」はセットで避難所に指定している2つの小学校に5台ずつ保管しています。平時から、式典や体育の授業など、体育館を使用する際に活用していきたいと思います。

また、非常時には避難所を開設した際に使用することを考えています。可搬型であるため、別の地区で避難所を開設した場合には、移動して使うことも考えています。

 

ー学校の熱中症対策といった意味でもぜひ活用いただきたいと思います。実際に導入してから使う機会などございましたか?


昨年の11月末に「実際に避難所にとまってみよう」という防災キャンプを市内の体育館で実施し、その際に「ヒエスポ」5台を使用しました。体育館の片面にヒエスポを固めて使用したのですが、廊下から体育館に入って「あたたかいな」という実感があり、いいものだなと思っています。発電機「ELSONA」はその「ヒエスポ」の電源として5台屋外で使用しました。

 

燃料を使った資機材を動かすのは初めてだったのですが、事前に使い方も教えていただいていたので、発電機「ELSONA」も簡単に動かすことができました。「ヒエスポ」も想像以上にあたたかさを感じられました。

 

防災キャンプで活躍した「ヒエスポ」

 

防災キャンプには、小学生親子4組、8名に参加していただき、「段ボールベッド」、「断熱のアルミマット」、「毛布」を準備し、「テント型のパーテーション」にはいっていただいて体育館で宿泊していただきました。

 

日中は自主防災組織等の関係者10名にもご協力いただき、備蓄している資機材(「段ボールベッド」や「テント型のパーテーション」「簡易トイレ」)の組立て体験や防災VR/AR体験を行いました。また、非常食であるハンバーグや魚の煮付け、豚汁などの備蓄食品などを食事として体験いただき、翌日は消防の方に来ていただいて、「水消火器の体験」や煙の中にはいっていく「煙中体験」などを体験していただきました。

 

防災キャンプは次年度も実施する予定です。今回は「ヒエスポ」を暖房として使用したので、次年度は夏から秋頃に実施し、冷房として使ってみるなど色々試してみたいと思います。

 

ー今後の運用についてはどのようにお考えですか?


平時は学校で実際に使っていただいて、有事の際にもスムーズに使える動線を学校単位で作っていただきたいと考えています。また、防災のキャンプやイベントでも積極的に使用して災害時にスムーズに使用できるようにしたいと思います。

 

平時から使っていく中で、排気を考慮した「ヒエスポ」の配置や「LPガス」などの設置の場所などもわかってくると思うので、緊急時にスムーズに使用できる体制を整えていきたいと思っています。

 

ー発電機の燃料は「LPガス」をご使用の予定ですか?


そうですね、今のところ平時の利用は「LPガス」での使用を想定しています。発電機の燃料は「ガソリン」だと片付けが大変と聞いていますので、管理や調達がしやすい点で「LPガス」を想定しています。

 

防災キャンプの際には、「ELSONA」1台につき8キロのガスボンベを使用して7時間ぐらい動かせたので、充分な量のガスボンベを確認し、燃料を確保する予定です。

 

「LPガス」を燃料として発電する発電機「ELSONA」

 

ありがとうございます。平時からご使用いただき、また有事の際にもご活用いただきたいと思います。

 

遠藤さんは、防災の業務にあたられて今年で3年目になられるそうで、ご自身でも災害に備えて、防災アプリで情報を集めたり、食料や飲料をローリングストックされているそうです。

 

これからは防災キャンプなどを通じて市民のみなさんへ防災の啓発活動にも力をいれていきたいとお話されていました。

 

災害は、いつ・どこで起こるか分かりません。

だからこそ、平時からの備えと、実際に「使ってみる」経験が、
いざという時の安心につながります。

 

今回の移動式エアコン「ヒエスポ」と発電機「ELSONA」の導入は

体育館などの大型の施設での夏場の熱中症対策や冬場の寒さ対策として、

また災害時の避難所の空調対策としてとても有効です。

 

学校や地域で日常的に活用しながら使い慣れてていただき、
有事の際にもぜひご活用いただきたいと思います。

 

お忙しい中貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

 

         (インタビューアー 正司 光輝 井髙 沙織/記事ライター  井髙 沙織)

 

納品場所
魚津市内小学校

信越空調株式会社 移動式エアコン「ヒエスポ」 804C 10台
発電機「ELSONA」 GD5000SR  10台

 

一覧に戻る