今回取材させていただくのは日向野さん。
発電機の資料を取り寄せ、比較検討いただいた中から、今回、非常用の発電機としてエルソナを選んでいただきました。
福祉施設や避難所などに納品させていただくことが多いエルソナですが、
今回は個人宅に発電機を納品させていただきました。
なぜ個人でありながら、発電機を導入されたのか?
そこにはご自宅に発電機を備えるにあたって、ある思いがあったそうです。
今回のエルソナの導入に至った経緯や、その思いを日向野さんならではの視点で伺ってきました。
納品させていただいたエルソナと日向野さん
「避難所」ではなく「自宅」で避難するという選択肢
ーエルソナを導入したきっかけを教えてください。
今までにないような災害が毎年起こり、もしも自分達も非難の必要が迫った場合の事を考えました。妻は一級の身体障害があり、歩行の困難だけでなく体温調整機能の低下や、電動エアマットの必要等、空調や電気は欠かせない状況にあります。
地元の福祉避難所を調べたところ発電機はなく、設備環境もまだ個々の障害者に対応できる状況ではない事が分かり在宅避難を検討しました。自宅は水害等の危険区域ではありませんが備蓄等だけでなく、長期停電に対応できる自宅での発電が必須と考えました。
発電機について検討していくうちに、燃料は保管・調達がしやすいプロパンガスがいいのではないかと思い、「プロパンガス」で検索していくうちにエルソナに出会いました。
ー発電機を導入するにあたって色々な壁があったとお伺いしております。
最初は別の発電機を考えていました。ただ、価格的にも高額で、保守点検や保証など納得のいく答えをいただけず、導入を断念しました。再度、発電機を探し始めていく中でエルソナに出会い、エルソナの導入を決めました。
また、エルソナの導入を決めてから、分電盤の工事をして、災害時非常用電源に切り替えできるように工事をしようと計画しました。しかし、当初予定した業者は大掛かりな「機械連動子式切り替器」や高額な工事費で、見積もり金額は想像をはるかに超えてしまいました。
ー最終的に工事はどのようにして行われたのですか?
予算を大幅に超えてしまったため、電気工事は地元の電気工事会社を探して依頼、ガス工事も自宅にLPガスを供給してくれている会社に依頼しました。
地元の電気工事業者の方とやりとりをして、市販の手動式電源切替え器を利用して、太陽光発電があっても干渉せずにシンプルな配線で工事ができ、予算も納得できる金額に収まりました。
非常時にはレバーを下げて電力の切替を行う
非常時には分電盤からご自宅の電力を確保
ー普段、エルソナはどこに置かれていますか?
普段は、倉庫にエルソナを置いています。倉庫を自分なりに改造し、防音材を貼ったり、電気の切り替えをする分電盤からエルソナの保管してある倉庫に配線をしたりしています。
非常時には分電盤のレバーを下げて、発電機を接続することによって簡単に電力の切り替えをすることができます。
エルソナを倉庫に設置
ーLPガスはどれくらい備えていらっしゃいますか?
LPガスのボンベは 50 キロを 4 本備えました。電気を節約して使用し、エルソナの点検を行えば 4~5 日分はあるかと思います。しかし大きな地震でボンベが転倒したとしたら、ガス漏れは起きないとしてもエルソナへの供給が出来なくなってしまいます。 通常のボンベの固定方法を見ると建物の壁に小ねじでチェーンを付けてボンベを固定しているだけのようですが、大きな地震でボンベ下部がずれると小ねじは簡単に抜けてしまいます。今回、対策としてボンベの上下の位置にアングルを柱や間柱にコーチボルトで防水処理して固定。ボンベ用のチェーンはアングルに別のネジで取り付けました。
地震などが起こった際に転倒しないようしっかり固定
ーエルソナのお気に入りのポイントはございますか?
コンセントにすぐに繋げて、容量もポータブルにしては十分な容量をもっている点。また、電気を特別節約しなくても、通常に近いくらいの生活のできる性能がある点が気に入っています。自分も製品開発をおこなっていたので、ものづくりの姿勢が伝わってくるところがあり、付属品をみても商品への真面目さが伝わってきました。また、東日本大震災をきっかけに開発されたという部分にも惹かれました。
ー今回エルソナをカスタマイズされていらっしゃいますよね
倉庫に保管しているため、発電機使用時やメンテナンスの時には倉庫から出す必要があります。エルソナを移動する時に、前後自由な向きで動かせるように4輪ともタイヤにしました。
また、猛暑日や連続運転等にエンジンが高温になり過ぎないかを確認できるように油温計を取り付けました。
(※お客様自身でのカスタマイズは保証対象外になる可能性がありますので自己責任でお願いいたします。)
カスタマイズしたエルソナ
ーエルソナについて一言お願いします。
エルソナのようなコンパクトでポータブルでありながら高性能な発電機は今後より多く普及して欲しいと願っています。特に小規模な高齢者や障がい者の施設、避難所も大きなところより小規模分散が求められていますが、いずれも停電対策の発電機は必須と思います。エルソナが益々普及して多くの人が安心できる事を望んでいます。
ー今後どういう風に活用していきたいですか?
本当は活用しないのが一番いいのですが、備えとして「いつでも」「だれでも」使えるというのが目標です。ポータブル型の発電機の操作は、発電機だけでなく屋内配線の電源切り替えや接続、ガスの接続、停電解消時の手順や注意点もあります。それらを詳しい者が不在としても一連のマニュアルを整えて、安全に操作できるようになればと思っています。
個人宅でありながら、防災意識が高く、ご自宅にエルソナを備えていらっしゃる点で、非常に感動しました。
日向野様のように、ご自宅に発電機を備える方が増えれば、いざというときに慌てず、安心して過ごしていただけるのではないでしょうか。避難については、災害の切迫度や色々な方の状況によって在宅避難もあると思います。また、自宅に戻ったとしても停電が長引くことはあり、電気の確保は生活の確保とも言えます。ご自宅での避難に備える手段の一つとして、ぜひ一度エルソナをご検討いただければと思います。
人を思う気持ちが、被災時での被害を最小限に留めることができるのではないかと強く思いました。
(インタビューアー 緒方 貴人/記事ライター 緒方貴人・井髙 沙織)
納品場所
日向野様個人宅 エルソナS-5500 1台納品